高橋良の器 objet,etc

objet,etc

zou,kaki

荒土と粘りの強い土を合わせてロクロ成型。仕事場も狭く土の整理が大変なので土物は期間を決めて集中して造ります。一月ほど連続的に作って結構いけると思ったんですが、しばらくして再度造りまして土の素性をわずかに変えるだけで土の粘性・素性は微妙に変わり、制作時間を変えるだけでも体が感触を忘れる始末で、同一形状の器の成型は困難とようやく理解しました。

以後、一回性の偶発の姿・変容について考えるようにいたしました。生乾きで尻尾を足したり全体を削り出しながら形を整え成形。本焼き焼成。そして九谷色絵と金泥彩の上絵焼成。最後に色絵上への金銀泥彩で再度焼成。

写真上左と下がパナのデジカメDMC-LX1で撮影。他はフィルムカメラ。

LX1は数年前の撮影素子の小さいデジタルカメラですので暗部のノイズが多く色合わせが意外に難しかったです。ホームページの写真なら結構こなせると思ったのですが・・・数年後パナソニックから一眼レフのレンズ資産を生かせるマイクロ4/3が発売され、値段がお安くなった頃、ようやく私もデジタルカメラへ全面移行できました。
高さ290mm

hikouki-織部金銀彩

1995年CWY展(山梨の工芸家による今日の作品展)1450×210×高さ520mmH
CWY展は山梨の工芸家仲間の自主的な展示会で毎年秋に山梨県立美術館で開かれています。私も幾度か出品しました。毎年一つの決められたテーマに沿い作品を発表する展示会です。

kurage-織部銀彩 kurage-織部銀彩

くらげのような・・・・・径440×高さ220mm

此れはロクロ挽きではなく紐造り。初めは現在の裏面を表とし円盤から芽の突き出る姿をイメージしていました。表を主体に意識的な釉薬掛けをしたつもりですが焼成後裏面に意外な放射状の釉薬斑が生まれ、直ちに上下を逆転し銀彩を施しました。
CWY展で発表したもの この時のテーマは鏡だったのですが・・・・・

炭化銀彩

1995年CWY展(山梨の工芸家による今日の作品展)400×700×1200mmH 炭化銀彩

ロクロ成型で内側から捩じって変形。上下分けて制作。上部の突き出た腕はある程度土が堅くなった状態で手捻りで追加。覆いも同様。
焼成後、暫くすると銀が変色します。素地がザラザラなので直しようも無く、色合いが薄まると300~400度程度で焼いて銀色を復活させていました。炭化状態も多少変わるので薪を燻べたりしているうちに、最初期の下絵やデザインを考えていた折の下書きの薄い銀が黒ずんで文様に浮き出てきました。焼いた折は思いもよらなかったです。

炭化銀彩

1998年CWY展(山梨県立美術館)1050×550×高さ350mmH

前年度のCWY展では、ほぼ同一の形状で織部釉を変形させた黒マット釉で焼成したのですが、思いもかけない産業廃棄物的な焼き上がりにびっくり! 直ちに産業廃棄物的文様をベースに銀でしっかり描画・・・益々産業廃棄物的になりました・・・

小さな作品では黒マット釉が渋く実に良かったので期待したんですが・・・大物では数も無く釉掛けも厳しいです。

 素地は2点しか造りませんでしたので(下の工房の写真、左に写っている二つのobjetが正にそれ)翌年は最後の素地となり、失敗の無い炭化焼成で銀彩としました(上記写真)。

これはロクロ挽きで大きな鉢を作り、ある程度乾燥した後、手捻りと叩きで変形させたもの。器の上面は内部にくるめた新聞紙を詰め支えとし、手捻りでふさぎました。何故ロクロで成型するかと言われるんですが、まあロクロで概略形作ってから手捻りでの変形は形に限界はありますが、器が軽くなる事と最初から形を決めて造る性格でなく、出たとこ勝負で考える作業が向いているという事ですか・・・

写真は山梨美術館で撮影

工房風景工房風景

 空き屋となった農家を仕事場に改造。中央の作業台下は、ストーブ。秋から春は薪を炊くので中央の作業台は使いません。冬でもストーブを焚く日は天窓は開け、開放的な仕事場としています。さしたる設備も無く30年来健康に磁器を作って来れたのは、この開放的な仕事場と村のおいしい水と米と澄んだ大気のおかげです。

 写真は14年ほど前のもの。まだ私の頭も黒いです。この頃子供は焼物作りに興味津々でしたが、私はほとんど相手をしなかったのです。子供の遊びに磁器土では、しょうも無いという気持ちがありましたし、二人そろうと仕事場で飛び跳ね、しかったりの繰り返しです。やがて二人の子供は学校で楽しいことを沢山見つけ、焼物作りに興味を示さなくなりました。(このページを作った折の記事です。 念のため追記。多分1995年の写真)

 上は仕事場を整理していたら出てきた久しぶりの写真。土物の手捻りの器を作っている時のもの。写真は小さくてよく分かりませんが、子供は嬉々としてだんご作りをしています。

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